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プロ野球の監督っていろんな現場を経験している人のほうがいいよね、という話。

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読売巨人軍高橋由伸監督が今シーズン限りで辞任を表明しました。

監督に就任してからの3年間、セ・リーグ3連覇を果たした広島東洋カープの牙城をついに崩すことはできませんでした。

まだクライマックスシリーズ出場の可能性があり日本一のチャンスが残されている中での辞任表明。

セ・リーグで3年間優勝できていないという責任を取って辞表ということですが、一般的に考えてありえないタイミングでの発表なので読売巨人軍の闇を感じております。。

それはさておき、高橋由伸監督をはじめ自分と同世代の40代の監督がぼちぼち誕生し始めていますが、監督って監督になる前にいろんな現場を経験していたほうがよくない?という話。

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戦いのビジョンがわかりにくかった巨人

3年前のオフ。

読売巨人軍は野球賭博問題で揺れていました。

当時の監督だった原辰徳さんは隠れるように辞任をし、現役生活志半ばで押し付けられるように監督に就任したのが高橋由伸監督です。

就任3年目の今季は2年目の吉川や高卒4年目の岡本を一本立ちさせて世代交代には一定の成果を上げたと球団も評価はしていたようで、実際慰留もされていたようです。

しかし外野からみていると高橋由伸監督はどういう野球をしたいのかあまり見えてこない監督でした。

選手からいきなり監督になったといえば、千葉ロッテの井口資仁監督も同じです。

千葉ロッテの今季の成績は5位で終わりましたが、ダイエーホークスやMLBでもプレー経験のある井口監督は足を使った野球をするというビジョンが明確でした。

データにもはっきり現れていて、伊東監督だった2017年の盗塁数は78個だったのに対し、2018年の盗塁数はまだ5試合を残して120個と3割以上も数字を伸ばしています。

今季は順位として結果が伴わなかったとしても、来シーズン以降に期待の持てる戦い方だったといえます。

一方高橋由伸監督には果たしてビジョンを描けるほどの余裕とビジョンを共有してバックアップするほどの気概がフロントにあったのでしょうか。

漏れ聞こえてくる話では球団による必要な戦力補強のバックアップはあまりなかったようで、高橋由伸監督はつくづくかわいそうでした。

まずはゆっくり休んで、野球を外から楽しんでいつかまた監督をやるときにはバージョンアップして帰ってきてほしいです。

優勝した監督は下積み経験あり

高橋監督や今季5位に終わりそうな阪神の金本監督を見ていると、コーチ経験もなくいきなり選手から監督になるのってやっぱり無理があるんですかね、と思えてきます。

今季優勝を果たした広島東洋カープの緒方孝市監督、埼玉西武ライオンズの辻発彦監督の経歴を確認してみましょう。

(参考:Wikipedia)

広島東洋カープ 緒方孝市監督

  • 2010年:野手総合コーチ(一塁コーチ)
  • 2011〜2012年:守備走塁コーチ(三塁コーチ)
  • 2013年:一軍打撃コーチ
  • 2014年:野手総合コーチ(ヘッド格)

西武ライオンズ 辻発彦監督

  • 2000〜2002年:ヤクルトスワローズで二軍守備・走塁コーチ
  • 2003年:横浜ベイスターズで一軍守備・走塁コーチ
  • 2004年:横浜ベイスターズで二軍打撃コーチ
  • 2005年:野球評論家
  • 2006 ワールド・ベースボール・クラシック日本代表内野守備・走塁コーチ(三塁ベースコーチ)
  • 2007年:中日ドラゴンズ二軍監督
  • 2010〜2011年:中日ドラゴンズ一軍総合コーチ
  • 2012〜2013年:野球評論家
  • 2014年:中日ドラゴンズ一軍内野守備・走塁コーチ
  • 2015年:中日ドラゴンズ一軍野手総合コーチ
  • 2016年:二軍野手総合兼内野守備コーチ・一軍作戦兼内野守備コーチ
  • 2017年:西武ライオンズ一軍監督

緒方監督は現役引退をしてからすぐコーチになり広島東洋カープ一筋ですが、守備コーチ、打撃コーチ、ヘッドコーチと段階を経て監督まで登りつめました。

辻監督に至っては、古巣・西武ライオンズの監督になるまでに現役引退したヤクルトスワローズ、横浜ベイスターズ、中日ドラゴンズと合間にWBCまで現役時代プレー経験の少ないセ・リーグや二軍までさまざまな監督の下で主にコーチを務めてきました。

辻監督はずっといつか古巣・西武ライオンズの監督をやりたいと思っていたはずです。

改めて就任時の会見の記事を読むと、コーチ経験しかない自分に一軍の監督として要請してくれた古巣・西武ライオンズにとても感謝を感じて監督を引き受けていたようです。

【参考】【新監督就任会見一問一答】西武・辻監督「選手を信じて最後まで諦めずにやる」 (1/2ページ) – 野球 – SANSPO.COM(サンスポ)

いろんな組織や立場を経験することの強み

プロ野球も会社の組織も同じだと思うのですが、ずっといた組織から外に出てみてはじめて自分のいた組織はどれだけ他と違うかに気づくことができます。

上につく上司が変われば、対応のしかたも合わせて変えます。

職場や環境や立場が変わるたび、次はどう立ち振る舞うかを考えることを続けるわけです。

辻監督の場合は、コーチ、監督、一軍、二軍と環境も役職も毎年のように変わりながらさらに中日が強かった当時の落合監督の元でコーチをやっていた経験がいまの監督業にとても生きているのではないかと思います。

野球に対しては自分にも人にも厳しいという話でしたが、西武ライオンズに戻ってきた辻監督は勝利監督インタビューの時に打ち込まれた投手陣やミスした選手に対して苦言を呈したりしません。

公に発する言葉には常に選手への気遣いと愛情が感じられて、見ていて嫌な気持ちになることがないですね。

実際雑誌のインタビューでも選手の性格に応じてガーッと言ったほうが燃えて結果を出す選手と萎縮する選手では接し方を変えているとも言っていました。

チームの中心選手として野球の技術の向上だけを考えてきた人には、いきなり結果を出せるように細やかな気遣いや立ちふるまいをせよ、といわれても難しいんでしょうね。

その点辻監督は現役時代から脇役を極めてきたタイプの選手だったので、周りがよく見えていたのかも。

埼玉西武ライオンズは辻監督を選んでくれてよかったです。

日本一になることも期待してますよ〜。

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